ユキノシタLab. from UEDA NAGANO

田中崇

「菅平トレイルランニング」や「別所線と走ろう!」「上田バーティカルレース~太郎山登山競走~」といった信州上田を舞台にしたアウトドアイベントを次々と展開していく田中崇さん(塩田在住)。エネルギーあふれる田中さんのこれまでとこれからをじっくりお聞きしました!

上田の自然を舞台にしたアウトドアイベント!

「せっかくこんなに身近に自然があるんだから!」と、地域の自然を舞台に “登山+ランニング”、“ローカル電車+ランニング”などなど、ここでしかできないアウトドアスポーツイベントを展開する田中さん。

確かに、いままで信州の山と言えば、山菜採りや登山ぐらいのイメージしかなかった。

信州上田は身近に自然がありながら、その自然を活かした“スポーツ”といえば、スキー位しか思い浮かばない。こんなに山と川が近いのに、誰もアウトドアスポーツをやっていない。

tanakasan-1-650

スポーツビジネスの仕事をしてきた田中さんは、「自然」とずっと関わってきていたが、次第にこの上田の自然を舞台に、スポーツやアウトドアを通じて、人と自然、地域と自然をつなぐような活動が何かできないかな、ということを考えるようになっていった。

スポーツで地域活性化

ずっと東京で仕事をされてきた田中さんだが、塩田平で書家として活躍されていたお母様がご病気になってしまったのを機に、上田に足を運ぶようになった。

東京と上田を行き来しはじめた頃、“健康”や“みんなで汗を流す”ということをテーマに、上田でも地域を盛り上げるイベントをやりたいと考えるようになっていった。そんなタイミングでたまたま「別所線の存続が大変なんだ」ということを知り、地域のひとたちと“別所線を使ったランニング大会はどうだ!”とひらめいた。

それをお母様に話すと「おもしろいじゃない!」ということになり、早速二人で車に乗り込み、別所線沿線を走りながら「どんなルートが楽しいかな?」と考えたりしたのが「別所線と走ろう」のはじまりだという。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

第1回を2009年に行い、今でも毎年5月に開催されている。
参加者の7割が県外からの参加で、そのまま地元の温泉旅館に宿泊していく方も多いという。旅行がてら来てもらって、楽しんでもらえば、地元への還元にもなる、と田中さんは考える。ひとつのスポーツイベントも、やり方次第で地域活性化につながる。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

2015年には上田のシンボル的山のひとつである太郎山をランニングで登ろう!というスポーツイベント「上田バーティカルレース~太郎山登山競走~」を、上田在住の我が国NO.1のスカイランナー、松本大選手といっしょに、初めて開催した。

ちなみに松本さんも田中さんの誘いに応じて上田に移住し、現在、上田をベースに山岳ランニングの選手としてヨーロッパの世界シリーズ戦を転戦。また国内では積極的に山岳ランニングの普及活動を行っている。

この企画のときは参加者に地元の商店街で使える100円分のスイーツクーポンを配った。市内の6店舗が協力してくれて、イベント参加者が帰りがけに商店街に寄って、クーポンを利用してスイーツを食べて帰る、という仕掛けだった。

単なるスポーツをして終わり、というのではなく、どうやって地域を巻き込んでやるか?というところを大切にしているのが田中さん流のスポーツイベントのやり方だ。

ビジネスマン時代

逆に、市民参加型、地域密着企画でありながら、ちゃんとビジネスの要素を取り入れられているのは、田中さんのこれまでの経歴を聞くとうなずける。

学生時代はアメリカでジャーナリズムを専攻し、新聞記者を数年勤めた。思った仕事と違うなと感じていた頃、ちょうど友人がイトーヨーカ堂の経営政策室という部門に配属された。その彼から、「新たにイトーヨーカ堂でスポーツ部門を立ち上げる。アメリカと提携して大きくチェーン店として展開していくけど、やってみない?」と誘われた。

業種も全く違い、はじめは戸惑いもあったが、ニュービジネスにも興味があったし、スポーツも好きだし!と思いきって飛び込んだ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OSHMANSというスポーツ小売業の立ち上げだったが、英語もできて、メディア関係にもいたこともあり、海外交渉とプロモーション販売促進をまかされた。その後、40歳で独立して東京でMTSデザイニングというスポーツウェアやスポーツブランドのコンセプトデザイン等を行う会社を立ち上げた。お母様の介護のために上田に拠点を移したあとも週の半分は東京、という生活を送るように。でも近頃は上田の割合の方が高くなってきているそうだ。

「上田は四季がすばらしく美しい。別所線からの眺めも最高だよ。
 若い頃は気付かなかったけど、こんな良いところは他にはないなあ。」

いまではすっかり信州人。上田の地域には、なくてはならない存在になっている。

体験からの学び

スポーツイベントの企画等だけなく、こども達とのキャンプやアウトドア活動などにも関わる田中さん。
こども達と接する機会が増える中で、近頃は教育、体験ということを特に意識しているという。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

「自然がきれい、という人は多いが、虫がつくのはいやがる人が多い。
 きれいな花には虫がつくのが当然。バンガローやテントの中に虫がいるのも当然。
 自然の中に我々は身を置いているのだということに気付く事が大切。」

それは知識ではなく、体験を通して学ぶことだと田中さんは語る。

「きっかけだけ与えてあげれば、こども達は木の棒一本で遊べる。
 そういう小さな体験をたくさん作っていきたい。」

2011年に起きた東日本大震災。その時に改めて感じた自然の偉大さ。
その震災後、福島のこども達が放射能の心配をしないで、自然の中で思い切り遊べるようにと毎年開催されている「信州上田リフレッシュ合宿」が上田市民有志によってたちあげられた。
そこでも当初よりボランティアとして関わり、アウトドア部門を取り仕切っている。

経験とエネルギーを、惜しみなく地域に還元し、イベントという形で表現していく田中さん。

その熱い思いは人と自然と地域に確実に届けられている。

(執筆者:直井)

Information
所属:信州上田アウトドア
ビジターセンター、MTS
デザイニング       
tel:090-8803-1259
   03-3465-2888
  (東京事務所)
mail:
info@sports-fitness.co.jp
公式サイト

トップへもどる

このエントリーをはてなブックマークに追加