ユキノシタLab. from UEDA NAGANO

蚕都くらぶ・ま~ゆ

上田には「地域通貨」という活動を10年も続けている団体があります。その名は「蚕都くらぶ ま~ゆ」。ま~ゆって、どんな活動しているの?
代表の安井啓子さんにお話を伺いました。

「市民の世紀」がはじまる!

 時代はバブルがはじけた90年代。もう経済も右肩上がりは望めない。21世紀がはじまろうとしている世紀の終わりに「これからは市民の世紀だ!」と直感したという安井さん。

 ちょうど国では地方分権論が熱く叫ばれ、地方が自立していかないといけないと言われていた。が、そのほとんどが市町村合併という形で進んでいき「『自立』ってどういうこと?」という疑問が残ったという。まず市民である私たちの自立から!と思い、仲間と勉強会を始めたのが2001年のこと。

蚕都くらぶ ま~ゆの誕生

 勉強会の中で『エンデの遺言~根源から“お金”を問う~」(NHK出版)というお金のあり方をめぐるドキュメンタリー番組をみんなで観る機会があり、その中で登場したのが”地域通貨”という仕組み。それはとても奥深く、今までの市場経済の中での貨幣の価値や、お金のあり方や社会のあり方をすべて覆す発想で、仲間のみんなが衝撃を受けた。そして、もう少し”地域通貨”を学びたい、という声により、その年の夏に開催された「信州上田夏季大学」というシンポジウムの分科会をメンバーで企画し、実際に地域通貨をはじめているグループや大学の先生をパネリストに招いたのであった。

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そうしたら分科会の中で、実践者の方から
「地域通貨って、勉強してもわからないですよ。実際にやってみないと、よくわからないと思う。」と言われたのをきっかけに、
「じゃあ、とりあえずはじめてみよう!」と数ヶ月後には地域通貨のグループとして蚕都くらぶ ま~ゆが誕生していたという。

社会を紡ぎなおす

 蚕都くらぶ ま~ゆが目指すのは、人と人のつながりが最優先された、地域の自立である。

 なにか困ったときに、まずお金で解決するのではなく、その人が提供できる「モノ・コト」、そしてある人が希望する「モノ・コト」を”円”という通貨ではなく、”ま~ゆ”という単位で交換することで、支え合いの輪をひろげていく。

ま~ゆでは、毎月10日に「ま~ゆ市」というのを開き、メンバーが集まり、みんなで交換したいモノ、コトを持ち寄って集まる。「大根いっぱいとれたから1本100まーゆで!」とか、「壊れた傘、○○まーゆで直します。」とか。若いお母さんたち始めた「くるくる市」というのもある。お店をやっている人などの場合は、現金プラス一部をまーゆで、という支払い方法も可能だそう。

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「市場経済の中だと、なかなか自分で価格を決めることができない。値段を自分で決める、という、お金に対して自主権があるということが、すごく魅力的なことだなあと思います。」と、代表の安井さん。

みんながやりたいことを持ち寄るプロジェクトも盛んだ。
「ま~ゆ田んぼ」や、大豆からみんなで育てる「みそづくり」、季節の行事の「お餅つき」や「お花見」、夏には「生ビールまつり」も!
集まりには老若男女、幅広い世代が集う。

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現在、ま~ゆの会員は200名ほど。この規模はみんなの顔がみえる、ちょうど良いサイズだという。
ま~ゆでは会員の新規登録、更新手続きなどのやりとりを、インターネット上ではなく、直接会ってという方法を貫いているのもポイント。顔が見える関係性、というところにこだわっている。

環境や経済の視点から”地域”をひとつひとつ見つめなおし、それを紡ぎなおすと、ちょっと前まで当たり前にあった、なつかしい地域社会の形が表れてくる。
”通貨”というものを超えた”人とのつながり”へのこだわりこそが、ま~ゆの醍醐味なのだと感じた。

(インタビュー、文責:直井恵、写真提供:蚕都くらぶ ま~ゆ)

Information
蚕都くらぶ ま〜ゆ
386-0041上田市秋和503-6
tel:0268-27-1230
(寿限無 前田)
email:ma_yu@live.jp
公式サイト

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