ユキノシタLab. from UEDA NAGANO

チェーンソーを振るお父さん

平成3年から岡山県の森林組合で林業をはじめ、平成9年7月、信州上小森林組合の技能職員に転職。出来高給班長を務め、23年間林業に携わっている。林産・搬出間伐において高性能林業機械を操ることを得意としている。林業一筋で、子供2人と妻を養う自然大好きお父さん♪

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就職先は森が相手?

 岩崎さんは平成9年から上田地域に移り住み、信州上田上小森林組合で勤務し、国有林の間伐やアカマツ枯れの処理を行っている。休日には、林業に興味のある学生を森へ案内し、間伐作業や高性能林業機械の体験を行っており、林業に触れ、関心を持ってもらい、より深く理解してもらうきっかけづくりに取組んでいる。

都会っ子がやりたかった仕事

 以前から自然を相手にした仕事をしたいという願望を持っていた横浜育ちの岩崎さんは平成3年に岡山県西栗倉村の森林組合で林業を始めた。「農業をするには畑が必要だし、漁業は船が必要だし、畜産業も小屋が必要なんだよね。でも林業は、管理されない森が増えているから、体と技術があればどこでもできるんだよ。」という。しかし、林業を始めたころはチェーンソーで足を切ったりして多くの苦労をしてきた。岡山県で林業に従事していたが、結婚し子供が生まれた際に、より横浜の実家に通いやすい、長野県上田市に移り住んできた。上田市では信州上小森林組合員として林業に携わり、高山スキー場の国有林の間伐作業や青木村でアカマツ枯れの処理を行っている。

日本の森が抱えている課題

 戦後、高度経済成長期に突入し、拡大造林という植林政策が薦められたが海外から輸入される安い材に負け、日本では放置林が次々と増加していった。また、外来種であるマツノハマダラカミキリに寄生していたマツザイセンチュウがアカマツに侵入し、松枯れが問題となっている。岩崎さんは、これらの間伐や処理を1 ヶ月で約 700㎥分の木を処理する。(1㎥が約 20mの木一本)また、これらの仕事は国や県、市町村からの依頼によって行っており、現在日本では、2030年までに国産材使用率を 50% まで引き上げる政策をとっている。

 古くから人間は林産資源や動物資源を求めて里山の森林を活用し、木造建築をはじめとする日用品の隅々に至るまで木製品が使われていた。しかし、現在ではこの文化がなくなり、里山が荒れ放題なのである。岩崎さん自身も日々処理する材の有効活用法を考え、様々な活動やワークショップに参加しており、その有効活用法の一つがバイオマスペレットなどの薪炭材としての活用であるという。

上田にアグロフォレストリーパークを!

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 岩崎さんは信州上小森林組合の一員として大学や企業、NPO、市民が連携して上田アグロフォレストリー・パークという場所を作ろうというプロジェクトに参加している。このプロジェクトは、上田地域の自然、里山、里川の恵みを活用し、衣食住にかかわる文化の継承・発展を目的としており、産学官市民連携で、の森林を再生し、様々な活動の拠点を作ろうとしている。実際には市民が山菜取りを楽しみ、環境教育の現場として活用できる。循環的で持続可能な里山アグロフォレストリーを目指している。 林業は補助金や税金で間伐やアカマツの処理などを行うが、岩崎さんはこれらの里山を子供が楽しめる環境にしたいと願っている。そして都会などで行われている市民農園のように市民林を作り、子供たちが自然の恵みを直に受け取れる環境を作り、なおかつそれを次の世代に残していきたいという。そのためには長野大学の学生はもちろん、沢山の若い世代にも協力してもらい、一緒に取組んでいきたいそうだ。現在は、プロジェクトチームと共に東山の廃れてしまったハイキングコースを実際にあるいて、枯れて倒れてしまったアカマツの木を確認しながら、様々な調査を大学の教授や専門家、行政と共に行っている。

若い世代へ

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 「林業はうそのつけない仕事です。なかには素直な木や癖のある木、様々な性格を持った木と対話していかなければいけません。今後も林業に従事していきますが、私は林業で学んだ技術や知識で社会貢献に繋げたいです。そして、活動を次の世代へバトンタッチできれば嬉しいです。

 また、最近若い世代が田舎暮らしを求めて、都会から移り住んでくるケースが多くなってきているが、上田の学生を含め、今の若い世代に大きな希望を感じている。

Information
信州上小森林組合
上田市富士山 2464-226
tel:0268-39-8522

この記事を書いたひと

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大山豊彦
長野大学
環境ツーリズム学部2年(一秋ゼミ)

感想・コメント

今回、岩崎さんの取材をさせていただきましたが、実際に林業体験をさせてもらい、その後ワインを飲みながら、林業の話を聞かせてもらうことが出来ました。取材を通して、多くの事を岩崎さんから吸収でき、感謝です!

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