ユキノシタLab. from UEDA NAGANO

川の守り人

現在59歳。上田市丸子町にすんでおり、今は上小漁業協同組合に組合員として勤務しており、釣り場の管理や魚の孵化・放流など、川に関係する多くの仕事を行っている。そんな曲尾氏に取材し、詳しい仕事内容。そして、我々が普段知ることができない、川が抱える多くの問題について色々とお聞きすることができた。

上小漁業協同組合とは何か

 上小漁業協同組合は、上小漁業組合という名前で昭和2年に発足された。元々は各地に点々と小さな協会があり、それが集まって上小漁業組合になった。発足時の組合員数は314名。今の漁業協同組合になってからの組合員数は 1200 名と、かなり増えた。しかし、この協会は昭和24年に戦争によって一度解散している。そして戦争が終ってからまた再建立し、その時に名前を漁業協同組合と改めて現在に至る。

上小漁業協同組合の活動

 主な活動は、鮎の釣り場提供である。それと共に行われる活動は、鮎・ウグイやヤマメ・イワナの放流である。まず卵を孵化場にもっていき、孵化瓶というものの中で孵化させる。鮎やウグイの稚魚は1年で2~3cm になり、その稚魚を放流する。イワナとヤマメは15cmくらいのものを年に6回(3回ずつに分けて)放流する。

 総合的な活動は、釣り人が持ってきた鮎の買い取りと選別や、違反行為の監視などである。

 釣りのシーズンが終わった後は、来年のための釣り券の作成や、組合をどのようにして良い方向に持っていくか会議を行ったりする。釣りがオフシーズンになっても組合には休みはないのである。

それぞれの魚のシーズンは?

 まず、シーズン中ずっと釣れる魚は、ウグイ・オイカワ・フナ・コイなどである。続いて 2 月~ 9 月に釣れる魚は、イワナ・ヤマメである。そしてメインであるアユの釣れる時期は、6月下旬~9月頃である。

曲尾氏を含む組合員が頭を悩ます害

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 仕事をしているうえで害はつきもので、外来魚や害鳥に頭を悩ませている。まず外来魚だが、これは日本でも有名なオオクチバス ( ブラックバス )・コクチバス・ブルーギルである。孵化場で育てた鮎などの稚魚を放流しても、それらの外来魚が食べてしまう。駆除するにしても水の中であるうえに数が多く、困難を極める。

 続いて害鳥だが、これはシラサギやカワウである。この二匹は連携をとっており、カワウに襲われて川岸に逃げた稚魚が、今度は川岸で待ち伏せしているシラサギに食べられてしまうといった悪循環に陥ってしまう。それらの鳥たちは、外来魚は食べてくれないという。理由は、それら外来魚は外の皮が臭いからである。これらの鳥たちの対策はどう行っているのかというと、花火を打ち上げて追い払うか、猟友会の方々に頼んで、猟銃を使って駆除するといった対策をとっている。「水の中よりも空の方が駆除対策は大変だよ」と曲尾氏は笑いながらいっていた。

現在川が直面している問題

 釣り人だけでなく多くの人に親しまれている川だが、多くの問題がある。それは、川の汚染である。上流の川に土砂が流れ込み、それが釣り場である川に流れ込むと多くの災難にみまわれる。まず一つ目は、魚のえらに砂などの汚物が入り込んでしまい、呼吸困難で死んでしまう。これについては誰もが予想できるが、問題は我々が思っているよりも深刻である。二つ目は、泥が次第に沈殿していってしまい、魚の巣が埋まってしまうという。そこには魚の餌である苔があったりするが、その苔が腐ってしまう。更には産卵場所も埋まってしまい、魚たちが産卵できなくなってしまう。

 これら土砂の他にもう一つ、魚にとって悩ましい問題がある。それは、塩素についてである。我々にとっては害のない量の塩素を溶け込ませた水でも、魚にとっては苦しい。もしその水が大量に川に流れ出れば、魚たちは死んでしまう。

 冬は特に川の環境を保つことが大変で、塩化カルシウムをまいたあとの雪解け水が川に流れてとても大変である。

上小漁業協会に入るためには?

 この質問を曲尾氏にしたところ、一言「自然・川・魚の好きな人。これが一番」そうおっしゃった。デスクワークが多くなるが、やりがいはあるという。もし、そういったものに少しでも興味がある人はぜひ訪問してみるといい。

この質問を曲尾氏にしたところ、一言「自然・川・魚の好きな人。これが一番」そうおっしゃった。デスクワークが多くなるが、やりがいはあるという。もし、そういったものに少しでも興味がある人はぜひ訪問してみるといい。

【pick up!】魚のはく製の作り方

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 取材の前に、展示室という場所で曲尾氏に魚のはく製を見せていただいた。作り方は、まず洗って中の内臓を取り出す。次に2か月ほど乾かし、形を整えるために腹の中に綿を入れる。そして色の落ちている部分を、絵の具などを使って修正。最後にニスを塗って完成。

Information
上小漁業協同組合
上田市常田 1 丁目 2-16
tel:0268-22-0813
公式サイト
上田駅から徒歩9分

この記事を書いたひと

100nakamura

中村航太
長野大学
環境ツーリズム学部2年(古田ゼミ)

感想・コメント

私にとって記事といえば読むものという固定概念があり、インタビューして記事を作ることができるのかどうか不安でした。しかし、漁協について詳しく知ることができたうえ、川の問題についても一番関わりの近い人にお話をお聞きすることができました。この記事を読んで、川について大まかなことでも知っていただければ幸いです。

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